秋物を仕入れに来られた小売り屋さんが
ほっこりするお話を聞かせてくださいました。
「お客さんで90歳のおばあさんがいらっしゃるんだけど、
『明日、着るものがない。』
『今、着れるものがほしい。』って
言いはるのよ。」
「歳を召されて急いではるねん。」
「だから、こう言ってあげるのよ。」
「『おしいれ見て、あるはずよ。』と。」
( ゆっくりと優しい口調で )
「商売気ないよね、私。」
ふふっ(*^^*) と笑うその姿が
なんとも可愛らしい。
「その後、
お客さんがもう一人来られたんだけど、
そのおばあちゃん、
必ずお客さんに『何歳?』って訊くの
それで『(私と) 変わらないわね。』
って、にんまり(*^^*)。」
気がつけば、
ふたりでおしゃべりが始まり、
「お茶いれてあげて。」
と先客がお願いする。
自分だけお茶をいただくのがなんだか気後れな様子。
……… ゆるやかな時が流れる。
かわいいおばあちゃんのペースに自然と合わせてすすむ大人なお茶会。
上着がないと肌寒く、
足元から冷えを感じるこの季節。
衣替えの話題が、
あちこちのお店で飛び交っているんだろうな。