見過ごされがちな景色に、
ふときらめきを感じる瞬間がある。
今日、自転車で御堂筋を走っていると、
歩道で4、5人のおじいさんが立ち止まって
何やら上を見上げているのに気がついた。
特に急ぎでもなかった私は、
その様子が気になってちらりと横目で見ていた。
彼らは満面の笑みで話しながら、
ずっと何かを見上げている。
そんなに面白いものがあるのかと、
私もつられて上を見てみると……
クレーンに乗せられた男性二人が、
まるで宙に浮かぶ箱の中で釣られているように見えた。
おそらくビルの清掃をしていたのだろうけれど、
彼らの姿はなかなか壮観だった。
「ああ、これがおじいさんたちの注目の的か」
と思うと同時に、
いつまでも笑顔で見上げるおじいさんたちの姿が愛おしく、
思わずくすっと笑ってしまった。
立ち止まって見るほどのことなのか??
と思ってしまったが、
その瞬間の幸福感が伝染したのか
そんな私も、
立ち止まっておじいさんたちに見入っているのであった。(笑)